残業と残業代の実情について
看護師の仕事において残業は避けられないものであるが、この残業には前残業と後残業の2種類がある。後残業は就業時間を超えて残って仕事を行うものであるが、前残業とは始業前に出社して仕事を行う時間外労働のことを指す。
後残業が残っている仕事を終わらせるために行うものであるのに対し、前残業というのは基本的に情報収集や仕事の準備を目的として行うことが多い。病棟勤務などの場合には日勤夜勤の仕事の引継ぎをスムーズに行わせるための情報収集の時間として発生することがほとんどだ。前残業は勤務時間の仕事を効率的にするための賢い働き方として捉える人も少なくない。また前残業を行わないと仕事が正常に回らないという理由で行う人も多い。
前残業、後残業共に残業代が出るかどうかは、業務上必要であるかどうかがポイントになってくる。上司や会社の指示によって発生する残業の場合には残業代も発生するが、一方で自発的な気遣いや出勤の都合といった理由で行う残業には残業代が発生しないことがほとんどである。特に自ら早めに出勤している場合には前残業と認められないことが当たり前なので注意が必要だ。残業代を請求する場合に特に前残業は認められないので、この点については心得ておく必要がある。また看護師の残業においては、一部残業代が発生することはあっても残業したぶんすべて支払いがなされることというのは滅多にないのが現状だ。サービス残業で終わってしまうことが珍しくないため、仕事は可能な限り就業時間内に終わらせられるよう効率よくこなしていくことが重要である。